和服

2015年10月29日 (木)

「ワンピース」 新橋演舞場

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 スーパー歌舞伎Ⅱ第2弾はあの「ワンピース」。
前々から実写化するなら歌舞伎でしか出来ないだろうな、と思っていたのでその点では驚きは無し。
問題は今の時点でも相当長い話なので、どこを取って舞台化するかってこと。
その点も巧くできてると思う。
脚本のまとまりもいいし、見所もきちんと作ってるし。

 オープニングでワンピースの世界観をざっとナレーションと映像で説明するんだけど、その場面だけでちょっとうるっと来てしまいましたよ。ここで感激しちゃって、あとの3時間どうするんだよって自分に脳内突っ込み。

 あ、上演時間はほぼ3時間半sign01 途中2度の休憩を挟んでいるので劇場に入ってから出るまで4時間半sign03
でもこれが全然長くないのsign01

 カピちゃんこと猿之助はもちろん、今回は隼人くんと巳之助さんに大注目。
プロローグで麦わらの一味が登場したときにサンジ(隼人)ゾロ(巳之助)のあまりの嵌りように感激sign01
ナミさん(春猿)とロビンちゃん(笑也)は逆のほうが良かった気がする。笑也さんがおきゃんなナミで春猿さんがロビンちゃんのほうが。それとサンジとゾロの衣装はほぼ原作どおりなのにナミさんとロビンちゃんはちょっと違ってるのでその所為でイメージが違うところもあるのかも。
ま、実は麦わらの一味の出番はあまり多くなくてみんな二役か三役なのでメインはそっちの役のほうって感じ。


以下ネタバレあり

 原作があれだけの長い話だから、その中のエピソードをひとつ纏めるだけでも長くなっちゃうんだけどそれでも時間が足りなくてキャラの説明は筋書き(プログラム)頼り。
 クライマックスの海軍の3大将との戦いなんて3人のキャラはほとんど説明もなくいきなり戦いの場面になってしまうんだけど、それぞれの戦いのヴィジュアル化が素晴らしくてぐいぐい持ってかれる。

 青雉は氷結だから舞台前方で宙吊りでぐるぐる回りながら紙ふぶき。頭上を青雉が舞い、紙ふぶきは舞台がかすむほどの量sign01
 黄猿は光なのでレーザーポインタの光と赤い照明。
 赤犬は火なので赤い照明の中、赤犬と手下が旗を振り、対するエースも旗を振る。
この演出は先代猿之助が三国志をしたときに京劇からヒントを得て京劇風の旗を振るアクションを取り入れていた野の応用だと思うけど翻る旗の美しさが殺陣と相まって「型」の美しさを表現していたと思う。

 一緒に観ていた娘はワンピースを読み込んでるヒトなんだけど、ボン・クレーとセンゴクはビジュアル的に完璧だと絶賛してた。
 ビジュアル的にはつるの美しさも特筆すべき。
背筋をすっと伸ばした後姿の美しさsign01 衣装はアレンジしてるので打掛を羽織っていたんだけど、この内掛けがまた素晴らしい。菊菱の紋縮緬に金泥・銀泥で文字が散らしてある。去っていく後姿がきりっとして惚れ惚れしました。
 センゴクでビジュアル的には完璧な人物を演じてた浅野和之はイワンコフも演じてるんですが、ここのシーンはイワンコフ個人もさることながらシーン全体が凄い。
ニューカマーランドに登場するヒト全部、ダンスシーンは大部屋さんじゃなくてダンサー系の人が多い感じだったんだけど、メイクがとっても綺麗。歌舞伎メイクじゃなくて今風の付けマつけてパッチリアイメイクでみんな近くで見ても綺麗でかわいいの。で、メイドの衣装が白いフリフリレースのドレスなんだけど生地が腰元の江戸紫の矢羽根模様。細かいところ一つ一つがしっかり作ってある。
 ここで出てくるボンちゃん、巳之助さんのはじけっぷりが凄い。あそこまで吹っ切れて演じる役者根性の見事さsign01 娘がボンちゃんが3次元に出現した、と言ってましたもん。
 隼人くんの2役目のイナズマは原作ではここまで美しくないみたいなんだけど、ひたいの金のイナズマも美しくきりりとした立ち姿。
 で、ボンちゃんとイナズマは本水で立ち回りしちゃうんですけどね。思いっきり水掛けられましたw

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 今回は海賊モノは持ってなかったので、長着はちょっと波頭にも見える模様の白大島、帯は製作者が"イメージは奄美の海"と言っていた洒落袋。帯留はガラスで海のイメージにしてみた。

 なんだか語り始めるとどんどん話が広がっちゃいそうなので、書き漏らしたこともいっぱいありそうだけど今回はこの辺にしておく。
 雪月花のワンピース御膳は10月と11月で違うので次回両方画像を上げる予定←来月も行くらしい。
だって今回は席が前過ぎて舞台全体が見え難かったんだもん。
その分、猿之助や隼人くんのドヤ顔はよく見えたけど。

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2015年4月28日 (火)

「平成中村座 陽春大歌舞伎」 浅草・平成中村座

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 前売り開始日をすっかり忘れて、気がついたらチケットほとんど残りがなかった…。
なので観たかった夜の部は買えず、昼の部の2階席に。でも1階席の後ろより2階席の前のほうが観やすかったかも。

1. 双蝶々曲輪日記 角力場
   彌十郎さんの濡髪、獅童さんの放駒。 彌十郎さんは長身でがっちりした体系なので似合うこと。
   獅童さんは与五郎との二役。相撲取りなのに腰の低い放駒となよっとした若旦那の対比がさすがです。
   新悟ちゃんの吾妻は出番は少ないながら綺麗どころが板についてきた感じ。
   以前に比べて相当腰を低くしている感じ。中腰での立ち居振る舞いはきついだろうけどその分身のこなしが綺麗になってきてるような。

2. 歌舞伎十八番の内 勧進帳
   安宅関での勧進帳の場。
   富樫が勘九郎ちゃん、弁慶が橋之助、義経が七之助ちゃん。
   常陸坊が亀蔵さん、国生ちゃん、宗生ちゃん、鶴松ちゃんがお付。
   筋書きで国生ちゃんが今年20歳になると読んでびっくり。もうそんなになるんだぁ。
   国生ちゃん、宗生ちゃんを引き連れてたら橋之助さんも心中大変だろうなぁw
   この場は富樫と弁慶の丁々発止なので橋之助さんの弁慶を堪能。
   七之助ちゃんは相変わらずお美しく。立役だけど。
   亀蔵さん、今回はこれも次も爺役w

3. 魚屋宗五郎
   宗五郎が勘九郎ちゃん、女房おはまが七之助ちゃん。
   幕開け、弔問にくる茶屋の母娘の母が本来なら小山三さん。ご冥福をお祈りいたします。
   娘の新悟ちゃん可愛らしい。
   亀蔵さんは宗五郎の父親。ということで今回2度目の爺w
   児太郎ちゃんはお屋敷奉公の娘役。数年前に書いた大根疑惑はだいぶ払拭されてきました。頑張ってますね。
   彌十郎さんのご家老は安定の巧さ。
   そして勘九郎ちゃん。酒立ちしてたのが妹がお手打ちの悲しさに酒を飲んで酔っ払う。酔って管を巻く。
   1作ごとにお父さんに似てくる。もちろんそのままお父さんでなく、勘九郎ちゃんの努力も感じられる。
   今回は小山三さんのこともあったのに平成中村座を背負って立つ苦労を微塵も感じさせない舞台が素晴らしい。

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 この日は雨模様だったので長着は大島。帯は鯉のぼり。
締められる時期は短いけど、この帯すきなよのよね。
ちょうど浅草寺の境内に鯉のぼりが翻っていて、雨も上がって(雨草履のジンクスは今回もあたり)。

ところで。
今回初めて2階席に行ったんだけど、立見席ってのがあるのね。
一番後ろの席の背もたれに寄りかかって観るみたい。 で、下にお座布団があるんだけど、そこに座ると前後の板壁に挟まれるというw

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2014年8月17日 (日)

「八月納涼歌舞伎 第一部」 歌舞伎座

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 お盆休みなので混む覚悟で早く出たら意外に早くついた。
1部だったし、もう歌舞伎座に着いたときには今日のミッション半分は終了した感じだったわw

「恐怖時代」
 谷崎潤一郎原作の戯曲を昭和になって武智鉄二が演出した狂言で、久しく上演されていなかったものを33年ぶりに上演。
 大谷崎にふさわしくお耽美なグロい、朝イチの狂言とは思えないw

お世継ぎの生母で寵愛を一身に集める側室に扇雀さん、その腰元で知恵袋の梅野が萬次郎さん、陰謀をめぐらす家老が彌十郎さん、美少年の小姓が七之助ちゃん、出入りの医者が亀蔵さん、茶坊主が勘九郎ちゃん、殿が橋之助さん。
 前々から思ってたけど、勘九郎ちゃんの茶坊主の娘で梅野の下で働く腰元役の芝のぶさんがかわいい。華やかな綺麗さじゃなくて儚げな役や薄幸の少女役に似合う可愛さ。今回も最期が可哀想だった。
 七之助ちゃんは今回はお小姓だけど相変わらずの美しさ。
勘九郎ちゃんは気弱なのに陰謀に引きずり込まれる役。オーバーアクションで頑張ってます。
橋之助さんは典型的な残忍なバカ殿。
亀蔵さんは馴染みの芸者の扇雀さんをお屋敷に紹介して利用している役。
扇雀さんに色仕掛けされて、あえない最期を遂げてしまうと言うw

 終幕に御前で真剣勝負があるんですが、黒御簾に筝曲が入ってて(白秋先生の社中)最初の戦いの音楽が八千代獅子の手事。ちょっと春先のどたばたを思い出してしまった。

 朝市イチから観るには血みどろの狂言ですけど、お耽美ないかにも谷崎らしい華やかな舞台でした。

「龍虎」
獅童さんが龍、巳之助さんが虎。
こちらも浄瑠璃と三味線に加えて黒御簾が鳴り物だけじゃなくて筝入り。
頭に小さい虎と龍を載せて半透明の白い水干姿で登場、その後早変わりが2回。
途中、隈取の面をかぶっての激しい舞で、2回目の早変わりで面を外したときには汗びっしょりsign03
個人的にこの二人の舞ってあまり観たことがなかったので面白かったですわ。

 画像は本日の組み合わせ。
舞台で久しぶりに絽の付け下げ訪問着を出したので悉皆前にもう一度着てみた。
舞台では夏袋帯だったけど、今回はカジュアルに名古屋帯で。

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2014年3月30日 (日)

「空ヲ刻ム者 -若き仏師の物語 -」 新橋演舞場

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 カピちゃんこと猿之助が先代猿之助のスーパー歌舞伎を引き継ぎスーパー歌舞伎Ⅱとして演じ、加えて小劇場出身の佐々木蔵之介が歌舞伎デビューする。

 予定調和のハッピーエンドのお話で、お約束どおりのいろいろありの良くできた舞台だと思う。
同行者はひねりが足りないとか甘いとかベタなお笑いとか言ってたけど、最近の傑作続出のアニメと比べちゃいけませんわ。

 観客層はけっこう若いお嬢さんがいて佐々木効果なのかしら。
歌舞伎初体験なのか、立ち回りの戸板崩しにきゃぁきゃぁ喜んでいたのが微笑ましかったですわ。

 で、その佐々木蔵之介。
新作ということで全体の台詞回しが現代劇っぽかったので、その辺は違和感なし。
衣装もスーパー歌舞伎独特の中華テイストが入った独特のものだし。
ただ見得は切れないのでその辺ちょっと間が持たない感じ。見得の台詞回しもどっちつかず。
来月は大阪の松竹座なので、終わりころにはもっと変わってると思うけど。
白塗りは結構さまになっていて、立ち姿が意外に(失礼)綺麗だたわ。

 狂言回しの浅野和之と福士誠治が転換中の幕前でやり取りするんだけど(時間の経過や状況はここで説明)、オババ役の浅野和之が観客を煽ったりして舞台に慣れてるヒトだなぁという感じ。

 ほかの役者さんでは笑也さんが儲け役。男装の女性を演じる女形というややこしいことになってるんだけど、ちゃんと男装の女性に見える。猿之助と蔵之介(こう書くと歌舞伎役者みたいだわ)の間に立って諭す役だし、立ち回りもあるし。
 春猿さんも相変わらずお美しく。今までふんわりした可愛い女が多かった気がするんだけど、今回は気が強い悪女。なかなかの迫力でした。
 猿弥さんは中村座の亀蔵さんのポジションで、今回は笑也さんの盗賊の手下を楽しそうに演じてた印象。
幕前のオババとの掛け合いはどこまでアドリブなのかわからないくらい良く出来てたわ。

 猿之助はもう堂々たる座長。
脇役で好きなことをしてる方が(十二夜の腰元とか)、好き勝手遊べて面白そうだったけど、真ん中でも堂々たるものですね。

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 画像は当日の組み合わせ。
春らしい色にしてみた。
紬の訪問着は黄緑が春らしいのと描いてあるのが猫柳か連翹っぽいので春にいいかなと。
帯もベージュ基調の春っぽい色合いで。

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2014年2月 5日 (水)

柄足袋コレクション増殖中。

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 足袋は皺が寄らないようにひとつ小さ目をピシッと履くのよ、とか言う話が流布されてるようですが、粋より履き心地をとる私。駄目じゃんsweat01
ところが、履き心地のいい足袋ってのも実はなかなかみつからないもので。
その上、同じサイズでもお店によって多少のばらつきが。
最初はぴったりなようでも、歩いてるうちに縫い目が当たって靴擦れ状態になったり、舞台に座ってると足首に食い込んで来たり。板の間に緋毛氈敷いただけなんで痛いんですよ、舞台って。

 最近はフクスケ辺りでも細かくサイズわけしてある足袋が出て長さだけじゃなくて靴で言えばワイズのほうも数種類あるんで便利にはなったんですけど。
問題は白足袋だけだってこと。
普段用の柄足袋・色足袋は相変わらずサイズわけだけでワイズは1種類。
と、なかなかしっくりくるものがなかったのですが。

 去年、和物フェアの会場で足袋の試し履きとフィッティングをしていたので合わせてもらったんだけど、それがこの「きねや」さん。
その時は白足袋を買ったんだけど、その後ネットで探したら柄足袋を発見。
受注生産なので時間はかかりますが、履きやすくてヘビロテ状態です。
なので今回追加で数枚購入。
色違いも買っちゃいました。



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2013年11月 4日 (月)

林 英哲コンサートスペシャル2013 『林 英哲 / 迷宮の「鼓美術少年」』 世田谷パブリックシアター

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 2日(土)の公演を鑑賞。
ここ数年、ほぼ年に一度行っている林英哲さんのコンサート。
今回は新作。

第1部
M1 「風の使者」
M2 「鼓美術少年」
M3 「コブナ少年」
M4 「時空少年」
M5 「木霊少年」
M6 「炎天少年」

休憩20分

第2部
「迷宮の鼓美術少年」組曲
1. 迷宮への海
2. 船出
3. 天神
4. 屋台船
5. 石取
6. Y字路
7. 歪視航路
8. Y氏のエチュード

アンコール
 太鼓打つ子ら

 太鼓や締太鼓のほかにガムランの木琴・筝などメロディ楽器も入り、印象的な風の音のようなパイプ楽器とともにオープニング。
 同行の娘が横尾忠則氏を知らないため、ポスター・パンフレット表紙(画像)や演奏を聴いて純粋に印象だけで言った言葉が「昭和臭がする」。 合ってます。さすがに戦前ではないけどね。

 ガムランの木琴や風音ではふわっとした感覚に包まれ眠ってしまいそうな心地よさがあり、和太鼓5台の演奏では身体の中心から熱くなってきて汗ばむ感覚があり。
英哲さんをほぼ年に1回しか観ないので、残念ながら英哲さんの体力が目に見えて減っていくのを感じています。
今回の舞台では、それにも増して風雲の会古参の上田秀一郎さん、はせみきたさんの演奏がすばらしかった。
英哲さんが今回、いわゆる「回想」に入っていったのは「円熟」の境地に入ったのかな、と。
常に「上昇」「成長」を目指してはいても、あるときからそれ以上の上昇は無理というところに行き着くのはすべての事柄に当てはまること。
その位置にたどり着いたときに、今度は上でなくどの方向に向かうかが難しい。

 今回の新作はある意味「朗読劇」のような感じもあり。
2日間舞台を勤めての3日目だったんですが、最後のご挨拶で「いろいろ思うところはあるでしょうが、あまりいじめないでください」という意味のことをおっしゃっていたのでアンケートに「否」を書いたものもあったんでしょう。
確かに「語り」が始まるとちょっと面映い気持ちになってしまうのですが。

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 個人的には筝の扱いが優しくなったのが嬉しい。
数年前に筝が登場したときは筝がかわいそうだったんだけど、今回は菜箸くらいの撥で軽く楊琴のような感じに演奏していたので、これなら楽器としてまったく問題ないなと。

 ←は本日の組み合わせ。
青緑の紬に紺の染め帯。伊勢型紙の菊は今だけなので最近何度か締めてます。
この日は帯揚げも青磁色。帯締は辛子色の三部紐。

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2013年9月15日 (日)

「九月花形歌舞伎 夜の部」 歌舞伎座

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 歌舞伎座で時々上演される新作歌舞伎は、一度しか上演されないことがままあるので、興味半分とコワサ半分で行ってきました。
なんてったって「陰陽師」ですよsign01 安倍清明ですよsign01 夢枕獏ですよsign01
これはもう期待しますよねぇ、でも外したときのコワサも倍増sign02
ま、個人的には私が今現在では双璧と思っている七之助ちゃんと菊之助の美女っぷりを観るのと、亀蔵さんを観るのが目的ですけどね。

 配役は清明に染五郎。水干・烏帽子の立ち姿も美しい貴公子っぷり。呪がちょっとアヤシゲなのは脚本か演出の問題なので本人の所為ではないですしね。
源博雅に勘九郎。気性がまっすぐで生真面目な感じが勘九郎ちゃんによく合ってましたね。役柄的には笛より琵琶を弾いて欲しかった気もするけど。
平将門に海老蔵。相変わらずこもったようなしゃべり方。最初科白が聞こえないのは座った位置が悪いのかと思っちゃったわ。立ち姿は綺麗だし、大詰の見得を切るときにはきちんと聞こえる(ややこもるにせよ)んだから、あとは稽古の問題よね。
桔梗の前に七之助。将門の幼馴染で滝夜叉姫の母。将門の親友・俵藤太と相思相愛ながらも将門に従い東国へ戻る。一途な乙女を演じさせたら、若手の中では一番なんじゃないかと思うわ。
俵藤太に松緑。百足退治の場面はカワイイ百足と相まって今回の見所のひとつでしたわ。
興世王に愛之助。将門の黒幕・実は…。 今回はシリアスな悪役なので愛嬌は封印。
大蛇の精に新悟ちゃん。このところ、女役で観る事の多い新悟ちゃん。今回は物の怪役だし背の高さも有利になった感じ。声はいいんだけどね。
滝夜叉姫に菊之助。綺麗だわぁ、可愛いわぁ、声もいいわぁで今回のちょっと訳ありの陰のある姫もいいですねぇ。
そして、蘆屋道満に亀蔵さん。清明に対比するちょっとダークな陰陽師。もうね、ケレン味たっぷりの衣装といい、式神の揚羽蝶といい、亀ちゃんにうってつけの役。最初は出番が少ないかと思ったんだけど、大詰で場をさらったので満足sign03 

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 で、突っ込みどころはいろいろあったんですがw
一番の問題は「蟲毒」の説明が間違ってたことじゃないかしら。お話の根幹に関わる大事なことなのに。
ほかは、魑魅魍魎のみなさんが薄暗がりでしか出てこなくてもっとはっきり観たかったなとか、百足のみなさんもうちょっと「自分は一体節なんだから、ほかの体節と歩調を合わせて行動しよう」と自覚して欲しかったなとか。
あ、そうそう。クダギツネさんは可愛かったですよ~。五芒星がんばったね~。

で、今回は新作なので黒御簾のほかに上手のほうで筝と十七弦筝、細棹の長唄三味線と太棹の浄瑠璃三味線、琵琶が入ってました。夜や魑魅魍魎のシーンは低音が多かったので十七弦と浄瑠璃三味線が大活躍でしたわ。

画像は本日の組み合わせ。
雨模様だったので大島の縞。帯は中秋が近いのでお月様(三日月だけど)。帯締めは白黒千鳥の三部紐。帯揚げはブルーグレー系のやたら縞。透明のガラスに赤の色ガラスを流したブローチを帯留代わりに。流れる紅葉のイメージで。
足元を雨草履にしたら結局ほとんど降らなくて、よかったけど蒸れて暑かったわ~。

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2013年8月 9日 (金)

「八月納涼歌舞伎 第二部」 歌舞伎座

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久しぶりの歌舞伎座。ってか新装以来初ですわw
どうしても観たい演目がなかった&役者がいなかったから。

今回は夏休みでこのところ忙しかった娘と一緒。
さすがに夏休み期間の所為か、歌舞伎座ビルも込んでる。
地下のお土産やさん街と上の屋上庭園のフロアは観光コースにでもなってるのかしら。バッジつけた団体さんとかエレベーター待ちしてた。
ちょうど挟間に乗れたので待ち時間もなかったけど。

「梅雨小袖昔八丈」
 髪結い新三は勘三郎さんで観たんだけど、今回新三が三津五郎さんに代わって周りは同じ人が多い(印象)のでなんだかちょっと複雑な気分になった。
三津五郎さんの新三は声がいいのと凄みが増した感じ。忠七を脅すところとか。

ケチな大家夫妻が彌十郎さんと亀蔵さん。
やっぱり亀蔵さんはこうでなくちゃいけませんよheart04
もうね、最高sign01
以前、大根疑惑だった児太郎ちゃんがお熊だったんですけど、下女のお菊が芝のぶさんだったのでお菊のほうがきれいなような気が…。
芝のぶさんって綺麗なんだよねぇ。
で、肝心のお芝居は今回は可もなく不可もなく。まぁこんなもん?って感じで。
その後もっとすごいものを観てしまったからかもw
もうちょっとお化粧を工夫するともっと綺麗になるんじゃないかと思うんだけどなぁ。まぁこれからどんどん変わってくるだろうけど。

「色彩間苅豆」
 福助と橋之助兄弟の「かさね」。
福助さんは相変わらずお綺麗。身のこなしも綺麗だし。
橋之助さんはちょっと太った? 前はこんなに立派な二重顎じゃなかったような気がするんだけど。
清元社中の延寿太夫さんが相変わらずいいお声でしたわ。

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今回は席が前過ぎてちょっと観難かったわ。2列目だったんだけど、最前列と舞台の間が狭くなったような気がする。
全体のつくりは以前のものを踏襲してて、階段がエスカレーターになってたり段差が少なくなってたりしてバリアフリーにはなってるんだけどね。

画像は本日の組み合わせ。
琉球絣と紅型の夏帯。帯揚げは薄い辛子色。帯締めは抹茶の三部紐。ガラスのボトル型帯留。
着物姿の人は多めだった感じがする。雑誌なんかで浴衣でお芝居とか書いてあるんで(以前目撃したこともある)いるかと思ったけど、さすがに浴衣姿の人はいなかったわ。

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2013年5月10日 (金)

朗読劇「お文の影・野槌の墓」 さくらホール

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 8日(水)15:00の回鑑賞。
久しぶりのカピバラ殿こと亀治郎改め猿之助の舞台。と言っても歌舞伎じゃないけど。

 開演時間より15分近く前に、客席から舞台へふらりと上がっていく3人。
私服のまま、Webで募集した怖い話を読み上げる。開演前から終演後のご挨拶な感じ。
既に京都と大阪の公演は終わっているんだけど、こちらでも同じ物を読み上げたのかは不明。全公演別の人の投稿だったのかしら? ちょっと一昔前の深夜放送みたいだったわ。←それをわかる人だけわかるたとえだけど。

その後、一旦全員引っ込んで着替えて開演。
朗読「劇」と銘打ってはいるものの、サウンドシアターみたいに朗読用に作った台本ではなくて白石加代子の百物語と同じく本をそのまま読む形式。特に最初の「お文の影」は百物語で聴いていたので、ちょっと白石さんの舞台と重なって違和感。
耳が馴染んでからは違和感はなくなったけど、そのきっかけになったのはカピちゃんの爺さんの声から。
 「お文の影」
百物語で既に聴いていたので、自分なりのイメージが出来ていた所為か、お話の内容の所為か。ホリゾントに映されるイメージ映像(満月とか子供の影とか)がそれほど邪魔には感じず。
 「野槌の墓」
こちらは初めての所為か、特にお玉の映像が邪魔。
個人的には視覚的なイメージがないほうが聴きやすかった気がするわ。声だけでイメージできるしね。
お玉はカピちゃんのあの女型の声色だし、頭の中で具体的なイメージ(今回は「十二夜」の「麻阿」だった)が動いてるからw
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2作とも怪談というよりは哀しい話。
宮部みゆきの時代物は怖いというより哀しいものばかりなのは百物語で聴いた話ばかりだからなのかな。

カピちゃんこと猿之助は朗読だけでも猿之助。
佐藤隆太は彼が目的ではなくて(ゴメン)、他の目的で観た舞台で一緒に出てるという形で観るのがこれで何回目だったかな。バックグラウンドを全く知らないので、単なるTVの若手タレントだと思っていたらきちんと舞台がこなせる人だとわかったので安心して観ていられる人になった。今回も子供役が意外に可愛くて得した気分。
佐々木蔵之介は名前は知っているし、よく見かけるんだけど具体的なイメージが全くない人で。ドラマの役とか、何に出てた人とか思い浮かばなかった。ま、TVドラマ観ないしなw もしかしたら舞台も初めてかも。見た目も話し方も柔らかいはんなりした人だなぁ、と思っていたら京都出身だったんですね。今更ですけど納得。谷崎潤一郎作品に出たらぴったりな感じだわ。もう出てるのかな。

 画像は本日の組み合わせ。
ちょっと光って色が飛んでるけど長着は結城。白に近いのと青紫の濃淡で格子模様。半襟は藤色の鹿の子。帯は玩具模様の織名古屋。帯揚げは白と藤色で染め分け。三部紐は紺に藤色、帯留は吹きガラス。
春というより初夏っぽい感じにしてみました。

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2013年3月18日 (月)

「The ONE」 東京グローブ座

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SOUND THEATREの新作。
音楽製作・監督は「THANATOS」に引き続き土屋雄作。
と言うことでつっちー&前作でひっくり返った美声の持ち主・平田さん目当てで出かけました。

今回の舞台は明治になりたての東京と函館。素材は新撰組。ここに陸奥宗光が関わっているのが単純な新撰組ものと違うところでしょうか。
幕末は歴女ならずとも、個々の人物にファンが付いているので、佐幕派勤皇派の大きなくくりだけでなく新撰組でも誰のファンかによってスタンスが違うし。
もはや土方歳三=イケメンの設定はゆるぎないものとなっておりますが、今回は平田広明があの声で演じ。
沖田総司は沢城みゆき。イマドキの声優さんに不案内なので娘の解説を受けつつ見ておりましたが、斉藤一の藤岡正明と言う人は2人とも知らず。イマ調べたらミュージカル俳優なのですね。動きが余りない朗読劇だと大変だったんではないかしら。

それと殺陣と剣技で市瀬秀和。
黒紋付の長着と仙台平の袴でイメージシーンで居合いと剣技を見せてくれました。
科白抜きで動きだけだったのが幻想的で良かったですわ。

 実は今回、パンフレットが売り切れsign01とのことで詳細がわからず。申し込むと送ってくださると言うことなので申し込みだけしてきました。

 で、音楽。
前回はちょっと鳴り物っぽさが少なかった美鵬さんですが、今回は鼓や締太鼓があったので本領発揮でしたわ。そして今回はピアノではなくてフラメンコギターsign03 これが実に良かったsign01つっちーのヴァイオリンとの絡みがなかなかセクシーでございました。

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今回の舞台では桜がモチーフに使われているんですが、折りよく桜の開花宣言も出て明治通りの桜もちらほらと咲き始めておりました。

グローブ座は初めてだったんですが、ほど良い大きさで舞台と客席の一体感が感じられるいい空間ですね。
周りの環境はいいけど、利用駅が新大久保と言うのが玉に瑕。

画像は本日の組み合わせ。
よろけ縞の間に入った柄が蝶なのか蜻蛉なのか花なのかが謎wな小紋と博多織の名古屋帯。
帯揚げは東雲色、帯締めは三部紐でヴァイオリンのブローチを帯留に。半襟は藤色の鹿の子でクリーム色のショール。

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