吉田篤弘「電球交換士の憂鬱」 読了。
![]() 電球交換士の憂鬱 [ 吉田篤弘 ] |
吉田さんとクラフトエヴィング商會の作品はいい意味で現実感のないファンタジー。
どこかのパラレルワールドのどこかの日本に似たような国。
そこにいるかもしれない人々のお話、と言う感じ。
普通に日本語を話している人なんだけど、毎日あくせく暮らしてない人。
と思ってたんだけど。
今回の連作短編集はちょっとだけ雰囲気が違う。
主人公の電球交換士・十文字扉。と行きつけのバーのママ、常連のみんな。
この辺までは今までのようにほわんとしたベールの向こうのような感じ。
だけど、今回は恋愛話が出てくるの。
ほんのちょっとだけどね。もちろん今までも誰が誰を好きで…とかって出てたけど、今回のはほんのすこしだけ現実世界っぽい。ちょっとだけ香りがついてる感じ
いつものクラフトエヴィング商會の世界にほんのちょっとだけ入った香り…
この作品の次に出た「台所のラジオ」にはなくて、またいつものクラフトエヴィング商會の世界だったから、この作品だけが例外なのか、それとも次かその次にはまたほんのちょっとだけ香りの違う作品が出てくるのか…
その辺はまだ不明。
中心にいつも出てくる白熱球はいつものようにふわんとしたあの雰囲気のなかにいるんだけど。
そして。
読み終わるとカレーが食べたくなるw
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