« 朗読劇「お文の影・野槌の墓」 さくらホール | トップページ | 畠中恵「つくもがみ、遊ぼうよ」 読了。 »

2013年5月11日 (土)

坂木司リクエスト!「和菓子のアンソロジー」 読了。

前回読んだのが精神的にちょっとキツイ物だったので、次に読むのはちょっと明るめのものをと思って読み出したのがまたまたキツ目で。山田正紀の新刊を買うついでに書架を辿っていて、これなら大丈夫だろうと買ったのがこれ。

読んだことのある作家は3人。
坂木司は大丈夫そう、畠中恵も大丈夫だろう。牧野修はややアヤシイけどw
で、結果として大変面白く、また心温まる系が多くてやや荒み気味の心は癒されましたわ。

坂木司 「空の春告鳥」
 和菓子のアンシリーズのひとつ。
 話としてはこれで完結でなく、中篇くらいの導入部だけという感じ。ってか書き継いで中篇くらいにしてください。このままだと登場人物のその後がきになる。

日明恩 「トマどら」
 作者の読み方も、性別さえもわからかったんですが、名前は見かけていた方。
 いやー面白かった! バリバリハードな世界に甘甘の和菓子。作者の得意分野なんでしょうかね、この世界は。にしても、この終わり方だと、その後がありありと見えてくるなぁ。主人公と姉はこのままなんだろうけど、妹は離婚トラブルになってて主人公の手を煩わせてる、と。オーバーステイで国外退去はどんなことがあろうとも一度国外退去させてその後改めて滞在許可を申請させないと、現実社会でもきっとこんなことがおきてるんだろうな、と簡単に想像が付く。

牧野修 「チチとクズの国」
 斜め方向からアプローチしてる作品。タイトルがカタカナだから読み終わらないと意味がわからない。牧野さんのエグさがいい感じに包まれて程よいアクセントになってる。素材の所為か?w

近藤史恵 「迷宮の松露」
 オチに関しては知っていたので途中の誤解がちょっと引っかかってたけど、最後で納得。初見の方なので作者の物語世界がどんなのかわからず、この雰囲気だったら他のものも面白そうな感じ。

柴田よしき 「融雪」
 テーマに相応しい甘甘な物語。最近おっさん・おばさんのラブストーリーが多くなったような気がするのは自分のアンテナが中年向けになった所為かしら。ってかちょっと前までは30代後半はこんなおおっぴらにラブラブ状態を誇示してなかったような気がするんだけど。

木地雅映子 「糖質な彼女」
 文体が面白い。この方も初めてなので作者の物語世界がどんなものかは不明だけど、この手を長編で読むのは個人的には確立半々だな。どっぷり浸るか付いていけなくて脱落するか。

小川一水 「時じくの実の宮古へ」
 これもテーマが不思議な形で関わってるファンタジー。そもそもの設定でちょっと脱力。地球温暖化で滅んだ世界ってのが陳腐すぎ。そもそも温暖化でこれはありえないでしょ。大きな嘘をつくときは小さな設定を本物に。小さな真実を組み上げて大きな嘘を作るのがファンタジー。

恒川光太郎 「古入道きたりて」
 このあいだ見た「セデック・バレ」の峰の上から俯瞰で映された山々と渓谷を思い出した。
 山をどこまでも分け入って行くと現れる隠れ里のような。

北村薫 「しりとり」
 人生の後半に差し掛かった人の心にしみる掌編。

畠中恵 「甘き織姫」
 若旦那シリーズしか読んでないので、初の現在を舞台とした作品(かも)。
 ワタクシ、この手の男は鬱陶しくて無理ですw

複数の作中に水まんじゅうと葛桜が出てくるのですが、これってほぼおなじもの、ですよね?
個人的に水まんじゅうは寒天、葛桜はくず粉なのかと思っていたんですが、説明を読むとそうでもないらしくて。関西だと水まんじゅうで関東だと葛桜なのかしら。

アンソロジーの面白さは普段手を出さないであろう作家のお試しが出来ることだけど、今回も気になる作家さんが複数居たのは嬉しい限り。
にしても、お約束だけど美味しい和菓子が食べたくなるなぁ。

|

« 朗読劇「お文の影・野槌の墓」 さくらホール | トップページ | 畠中恵「つくもがみ、遊ぼうよ」 読了。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/513557/51579727

この記事へのトラックバック一覧です: 坂木司リクエスト!「和菓子のアンソロジー」 読了。:

« 朗読劇「お文の影・野槌の墓」 さくらホール | トップページ | 畠中恵「つくもがみ、遊ぼうよ」 読了。 »