田中啓文「ハナシがうごく!」 読了。
![]() 【送料無料】ハナシがうごく! |
笑酔亭梅駆シリーズの4巻目。
「笑酔亭梅寿謎解噺4」となっているけど、この巻は推理モノと言うより梅駆の噺家としての成長物語。
今回、各タイトルになる噺は歌舞伎からの(と言うかその元になっている文楽からの)引用や、その狂言を知っていることが前提としてあるパロディのようなものが多し。
「夏祭浪花鑑」とか「狐忠信」とか「十六夜清心」とか。
ちょっと話は飛ぶけど、いつだったか小学生が唱歌を歌わなくなったと言う話があって、それは内容を理解できないから、と言うのを聞いたことがあり。つまり「囲炉裏」がわからず「焚き火」をしなくなり、挙句の果て「垣根」すら知らないと言う。
それから思えば、歌舞伎が下敷きにあって当然わかる前提で進む古典落語はイマのヒトにはわからないよなぁ、と。
破天荒な梅寿や自分のあり方に悩む梅駆など、いかにもありそうな話だし、漫才と落語の話など田中啓文氏のバックにある膨大な知識と下調べに感動
「話芸」としての落語なんて登場人物の口を借りて氏が言いたかったことなのかな、と思ったりして。
あ、当然そのような予備知識とか無くても楽しめますけどね。
| 固定リンク
コメント